大人の発達障害

シエアする:

皆さんこんにちは!

今日は、「発達障害について」である。

キャリア・コーチングで様々なキャリア相談の対応をしていると、発達障害の方やその傾向のある方が相談に訪れることがある。

近年「大人の発達障害」に関心が高まりメディアでも多く取り上げられることが多くなっている。従来、「発達障害」は子どもの問題と思われる傾向があったが、大人の問題でもある。職場や家庭で起きるトラブルの一つの要因として着目されている。

今日は、発達障害についてみていきたいと思う。

よく言われることが、天才には、「発達障害」の傾向があると指摘されることがある。例えば、エジソン、アインシュタイン、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズなどの面々。国内でも、あるIT企業の創業者や有名スポーツ選手など。

そこには、それぞれの特性があり、その特性をうまく活かせば成功に繋がっていく。

職場や家庭でこんなこと見聞きしていないだろうか?

・ケアレスミスが多い。会議の日時を間違えたり、請求書の金額の記入を間違えたりはしょっちゅう。人の話を聞きながらメモを取ることや、話を要約するのも苦手。

・空気が読めず、会議の場で「課長、5分遅刻ですよ」と事実を伝えて嫌な顔をされた。

・いつも一所懸命やっているのに、なぜかしかられることが多いと感じている。

・整理整頓が出来ず、いつも捜し物をしている。

・散らかり放題で片付けが苦手。

・何度も説明しても理解ができない。説明したばかりなのにちぐはぐな行動をとる。

・スケジュールを手帳やスケジュール帳に記入しても忘れる。

・納得できないと行動がとれない。

・自分のこだわり以外には、興味を示さない。面従腹背傾向。

・など

日本で発達障害者支援法が施行されたのは、2005年であるが、それ以来、子どもに関しては、乳幼児検診での早期発見、早期療育、早期支援が行われてきた。

しかし、大人になっている人達には、その支援から漏れてしまっていた。重度の自閉症や知的な遅れがある場合には比較的に早期に発見され、医療や支援に結びつくことが多くある。

それに対して、知的に遅れがない場合には、本人も周囲も本人の正確や個性と捉え、捉えられ、医療へ向かわないこともある。

学生時代は、特に大きな問題がなくても卒業後就職をし、その職場においてその特性のために様々なトラブルが起きることがある。職場での教育研修や上司の指導ではうまくいかないことも多々ある。発達障害の視点で対応することによりそのトラブルの解決への道筋が見えてくることもある。

キャリア・コーチングの現場で、相談に来る方の中には、これまでの職歴でうつ病を発症し、休職、退職、回復後、就職を繰り返す中で、医師から発達障害の診断を受けたと話されることも多くいる。うつ病の陰に発達障害が存在していることがあるということである。うつ病の治療と共に発達障害のケアも必要となる。

ここで重要なことは、自らの特性をきちんと理解して得意な部分・分野を伸ばして、苦手な部分・分野は工夫して補えるようにしていく努力をしていくという点である。

発達障害の特性

ASD: 自閉スペクトラム症の主な特徴

 ・空気を読むことが苦手

 ・言葉の比喩や裏の意味がわからない

 ・こだわりが強い

 ・人の気持ちを読み取るのが苦手

 ・同時に複数のことを処理するのが苦手

 ・他者の視点に立って考えることが苦手

ADHD: 注意欠陥・多動症

 ・忘れ物やミスが多い

 ・片付けや掃除が苦手

 ・衝動的に行動することが多い

 ・常に動き回ったり思考がせわしない

SLD: 限局性学習症

 視力や聴覚や知的な遅れなどに問題はないが、「読み」「書き」「聞く」「話す」「計算」「推理」などの学習分野の特定分野に著しい困難を有する。代表的なものとして、「ディスレクシア(読字障害)」、「ディスグラフィア(書字障害)」、「ディスカリキュリア(算数障害)」がある。

発達障害ではなく神経発達のずれ

発達障害は、明らかな知的障害はないが、脳機能の発達に非定型の発達をする、つまり、脳の発達に凸凹があるために様々に生きづらさを抱えることになる。

一般的に日本語では「発達障害」という言葉が使われていルガ、英語では、”Neurodevelopmental Disorders”という呼び方である。直訳すると「神経発達のずれ」になる。

人間の発達、脳の発達は、定型の曲線を描いて発達していくと考えられてきたが、最近の研究では、人それぞれ発達のスピードは異なり、全ての能力が同時並行的に成長していく分けではないことが明らかになってきた。

発達障害(神経発達症)は、決して発達しないということではなく、発達の仕方が定型発達の仕方からずれていて独特の発達の仕方をするということである。

特性を活かしていこう!

神経発達症、いわゆる発達障害であっても、それぞれ得意とする分野がある。それを活かしていく、職業に結びつけていくことは、自分の人生を肯定的に捉えていくことに繋がる。

ご感想、お問い合せ、ご要望等ありましたら下記フォームでお願いいたします。

投稿者プロフィール

市村 修一
市村 修一
【略 歴】
茨城県生まれ。
明治大学政治経済学部卒業。日米欧の企業、主に外資系企業でCFO、代表取締役社長を経験し、経営全般、経営戦略策定、人事、組織開発に深く関わる。その経験を活かし、激動の時代に卓越した人財の育成、組織開発の必要性が急務と痛感し独立。「挑戦・創造・変革」をキーワードに、日本企業、外資系企業と、幅広く人財・組織開発コンサルタントとして、特に、上級管理職育成、経営戦略策定、組織開発などの分野で研修、コンサルティング、講演活動等で活躍を経て、世界の人々のこころの支援を多言語多文化で行うグローバルスタートアップとして事業展開を目指す決意をする。

【背景】
2005年11月、 約10年連れ添った最愛の妻をがんで5年間の闘病の後亡くす。
翌年、伴侶との死別自助グループ「Good Grief Network」を共同設立。個別・グループ・グリーフカウンセリングを行う。映像を使用した自助カウンセリングを取り入れる。大きな成果を残し、それぞれの死別体験者は、新たな人生を歩み出す。
長年実践研究を妻とともにしてきた「いきるとは?」「人間学」「メンタルレジリエンス」「メンタルヘルス」「グリーフケア」をさらに学際的に実践研究を推し進め、多数の素晴らしい成果が生まれてきた。私自身がグローバルビジネスの世界で様々な体験をする中で思いを強くした社会課題解決の人生を賭ける決意をする。

株式会社レジクスレイ(Resixley Incorporated)を設立、創業者兼CEO
事業成長アクセラレーター
広島県公立大学法人叡啓大学キャリアメンター

【専門領域】
・レジリエンス(精神的回復力) ・グリーフケア ・異文化理解 ・グローバル人財育成 
・東洋哲学・思想(人間学、経営哲学、経営戦略) ・組織文化・風土改革  ・人材・組織開発、キャリア開発
・イノベーション・グローバル・エコシステム形成支援

【主な論文/プレス発表】
「仕事と脳力開発-挫折また挫折そして希望へ-」(城野経済研究所)
「英語教育と脳力開発-受験直前一ヶ月前の戦略・戦術」(城野経済研究所)
「国際派就職ガイド」(三修社)
「セミナーニュース(私立幼稚園を支援する)」(日本経営教育研究所)

【主な研修実績】
・グローバルビジネスコミュニケーションスキルアップ ・リーダーシップ ・コーチング
・ファシリテーション ・ディベート ・プレゼンテーション ・問題解決
・グローバルキャリアモデル構築と実践 ・キャリア・デザインセミナー
・創造性開発 ・情報収集分析 ・プロジェクトマネジメント研修他
※上記、いずれもファシリテーション型ワークショップを基本に実施

【主なコンサルティング実績】
年次経営計画の作成。コスト削減計画作成・実施。適正在庫水準のコントロール・指導を遂行。人事総務部門では、インセンティブプログラムの開発・実施、人事評価システムの考案。リストラクチャリングの実施。サプライチェーン部門では、そのプロセス及びコスト構造の改善。ERPの導入に際しては、プロジェクトリーダーを務め、導入期限内にその導入。組織全般の企業風土・文化の改革を行う。

【主な講演実績】
産業構造変革時代に求められる人材
外資系企業で働くということ
外資系企業へのアプローチ
異文化理解力
経営の志
商いは感動だ!
品質は、タダで手に入る
利益は、タダで手に入る
共生の時代を創る-点から面へ、そして主流へ
幸せのコミュニケーション
古典に学ぶ人生
古典に学ぶ経営
論語と経営
論語と人生
安岡正篤先生から学んだこと
素読のすすめ
経営の突破口は儒学にあり
実践行動学として儒学に学ぶ!~今ここに美しく生きるために~
何のためにいきるのか~一人の女性の死を見つめて~
縁により縁に生きる
縁に生かされて~人は生きているのではなく生かされているのだ!~
看取ることによって手渡されるいのちのバトン
など
シエアする:
error: Content is protected !!