喪失の先にある共感 〜異文化と紡ぐ癒しの物語〜

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皆さんこんにちは。

本日は、先日、出版したアマゾンkindle本「喪失の先にある共感 〜異文化と紡ぐ癒しの物語〜」のご紹介です。

喪失と悲嘆(グリーフ)は、人生における避けられない経験である。人は誰しも、愛する人の死や健康の喪失、職場や居住地の変化といった喪失を経験する。そして、その喪失がもたらす感情的、精神的な影響は、時に人々の人生を根底から揺るがすほど深刻である。喪失は普遍的な現象である一方、その受け止め方、表現方法、癒しのプロセスは、文化的背景や価値観によって大きく異なる。グローバル化が進む現代社会において、異文化間での喪失経験を理解し、支援することはますます重要な課題となっている。

本書は、このような課題に向き合うために執筆されたものである。異文化心理学とグリーフケアの視点を統合し、喪失に向き合うための理論的枠組みと実践的アプローチを提供する。本書が目指すのは、喪失に伴う悲嘆の深刻さを認識するだけでなく、それを乗り越えるための道筋を示し、異文化間での共感とつながりを育むことである。

本書が生まれた背景

本書の執筆に至った背景には、いくつかの重要な社会的変化がある。その一つが、グローバル化の進展である。国境を越えて移動し、異文化環境で生活する人々が増加する中で、異文化間での喪失体験がますます複雑化している。たとえば、海外で暮らす移住者が家族の死に直面した場合、物理的な距離や文化的な違いが悲嘆を乗り越える過程に影響を与えることがある。

さらに、新型コロナウイルスの世界的な流行は、喪失の概念をより広範なものへと押し広げた。人々は健康や仕事、社会的つながりを失い、それに伴う悲嘆が生活のさまざまな場面で顕在化した。このような時代において、喪失に向き合うための知識やスキルを身につけることが、個人や社会の回復力を高める鍵となる。

加えて、異文化間での摩擦や誤解が、悲嘆のプロセスを複雑にするケースも少なくない。異なる文化背景を持つ人々が悲嘆を表現し、癒しを求める方法は一様ではない。そのため、文化的違いを理解し、尊重するための視点と実践が求められている。

本書の目的

本書の目的は、喪失と悲嘆に向き合うための知識とスキルを提供することである。具体的には、以下の三つの目標を掲げている:

  1. 異文化間での喪失経験の理解を深める
    喪失と悲嘆は普遍的な現象である一方、その受け止め方や癒しのプロセスは文化ごとに異なる。本書では、日本、欧米、アジア諸国をはじめとするさまざまな文化圏における喪失体験を具体的に紹介し、その多様性を深く掘り下げる。
  2. グリーフケアの理論と実践を統合する
    喪失を理解し、支援するための理論的枠組みを提供するとともに、具体的な事例や実践的なツールを提示する。本書を通じて、読者は喪失に直面した際の適切な対応方法を学ぶことができる。
  3. 未来志向の視点を提供する
    喪失をただの困難として捉えるのではなく、それを成長と変革の糧に変える視点を提示する。本書は、喪失を超えた新たな希望を見出し、異文化間でのつながりを深めるための道筋を示す。

誰のための本か

本書は、以下のような読者を対象としている:

  1. 異文化環境で生活する人々
    海外に住む移住者や留学生、国際結婚した家庭など、異文化間で喪失を経験する可能性がある人々。喪失体験を異文化の視点から理解し、自分自身や家族を支えるための知識を得ることができる。
  2. グリーフケアの専門家
    医療従事者やカウンセラー、宗教関係者など、悲嘆を経験する人々を支援する立場にある専門家。異文化間での喪失に対する感受性を高め、実践に役立つ具体的なアプローチを学ぶことができる。
  3. 未来志向のリーダー
    異文化共生を目指すコミュニティリーダーや組織のマネージャー。喪失を超えて人々をつなぎ、多様性を尊重する社会を築くためのインスピレーションを得ることができる。

本書の構成

本書は、理論と実践の両面を網羅した10の章と終章で構成されている。それぞれの章が、喪失と悲嘆に関する異なる側面を取り上げている。

  • 序章:本書の目的と背景を示し、読者が抱える課題を明確にする。
  • 第1章から第3章:グリーフと異文化心理学の基本理論、そして文化的多様性に焦点を当てる。
  • 第4章から第6章:異文化間での具体的な喪失事例を分析し、グリーフケアの実践例とツールを紹介する。
  • 第7章から第9章:異文化間での共感とコミュニケーション、スピリチュアリティ、グリーフリテラシーの向上について考察する。
  • 第10章と終章:グローバル社会における喪失と再生の可能性を探り、未来への希望を示す。

本書を通じて得られること

本書を読むことで、読者は次のような知識とスキルを得ることができる:

  • 喪失と悲嘆の多様な表現とプロセスについての深い理解。
  • 異文化間での喪失を支援するための実践的なツールやアプローチ。
  • 喪失を超えた新たな希望とつながりを築くための視点。

本書が、喪失と悲嘆に向き合うすべての人々にとって、癒しと成長の道しるべとなることを心から願っている。読者が本書を通じて、自分自身や他者の悲嘆に向き合い、共感とつながりを深めることを期待している。

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投稿者プロフィール

市村 修一
市村 修一
【略 歴】
茨城県生まれ。
明治大学政治経済学部卒業。日米欧の企業、主に外資系企業でCFO、代表取締役社長を経験し、経営全般、経営戦略策定、人事、組織開発に深く関わる。その経験を活かし、激動の時代に卓越した人財の育成、組織開発の必要性が急務と痛感し独立。「挑戦・創造・変革」をキーワードに、日本企業、外資系企業と、幅広く人財・組織開発コンサルタントとして、特に、上級管理職育成、経営戦略策定、組織開発などの分野で研修、コンサルティング、講演活動等で活躍を経て、世界の人々のこころの支援を多言語多文化で行うグローバルスタートアップとして事業展開を目指す決意をする。

【背景】
2005年11月、 約10年連れ添った最愛の妻をがんで5年間の闘病の後亡くす。
翌年、伴侶との死別自助グループ「Good Grief Network」を共同設立。個別・グループ・グリーフカウンセリングを行う。映像を使用した自助カウンセリングを取り入れる。大きな成果を残し、それぞれの死別体験者は、新たな人生を歩み出す。
長年実践研究を妻とともにしてきた「いきるとは?」「人間学」「メンタルレジリエンス」「メンタルヘルス」「グリーフケア」をさらに学際的に実践研究を推し進め、多数の素晴らしい成果が生まれてきた。私自身がグローバルビジネスの世界で様々な体験をする中で思いを強くした社会課題解決の人生を賭ける決意をする。

株式会社レジクスレイ(Resixley Incorporated)を設立、創業者兼CEO
事業成長アクセラレーター
広島県公立大学法人叡啓大学キャリアメンター

【専門領域】
・レジリエンス(精神的回復力) ・グリーフケア ・異文化理解 ・グローバル人財育成 
・東洋哲学・思想(人間学、経営哲学、経営戦略) ・組織文化・風土改革  ・人材・組織開発、キャリア開発
・イノベーション・グローバル・エコシステム形成支援

【主な論文/プレス発表】
「仕事と脳力開発-挫折また挫折そして希望へ-」(城野経済研究所)
「英語教育と脳力開発-受験直前一ヶ月前の戦略・戦術」(城野経済研究所)
「国際派就職ガイド」(三修社)
「セミナーニュース(私立幼稚園を支援する)」(日本経営教育研究所)

【主な研修実績】
・グローバルビジネスコミュニケーションスキルアップ ・リーダーシップ ・コーチング
・ファシリテーション ・ディベート ・プレゼンテーション ・問題解決
・グローバルキャリアモデル構築と実践 ・キャリア・デザインセミナー
・創造性開発 ・情報収集分析 ・プロジェクトマネジメント研修他
※上記、いずれもファシリテーション型ワークショップを基本に実施

【主なコンサルティング実績】
年次経営計画の作成。コスト削減計画作成・実施。適正在庫水準のコントロール・指導を遂行。人事総務部門では、インセンティブプログラムの開発・実施、人事評価システムの考案。リストラクチャリングの実施。サプライチェーン部門では、そのプロセス及びコスト構造の改善。ERPの導入に際しては、プロジェクトリーダーを務め、導入期限内にその導入。組織全般の企業風土・文化の改革を行う。

【主な講演実績】
産業構造変革時代に求められる人材
外資系企業で働くということ
外資系企業へのアプローチ
異文化理解力
経営の志
商いは感動だ!
品質は、タダで手に入る
利益は、タダで手に入る
共生の時代を創る-点から面へ、そして主流へ
幸せのコミュニケーション
古典に学ぶ人生
古典に学ぶ経営
論語と経営
論語と人生
安岡正篤先生から学んだこと
素読のすすめ
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何のためにいきるのか~一人の女性の死を見つめて~
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など
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